アレルギー
アレルギー
近年、環境の変化により様々なアレルギー疾患が増えています。
アレルギー疾患においては単なる治療にとどまらず原因を明らかにすることも大切です。
原因としては、皮膚のバリア機能の低下、アトピー素因(アレルギー体質)、心理的要因の3つが重なって起きると考えられています。目や耳の周り、首、ひじやひざのくぼみなどに、かゆみを伴う湿疹が繰り返し起こります。左右対称で、慢性の湿疹と皮膚の乾燥が生じるのが特徴であり、かき壊しが続くと湿疹が拡大し、状態がひどくなります。花粉症や食物アレルギーとは異なり、アレルゲンがあるから発症するわけではありません。皮膚の弱い体質、皮膚のバリア機構が不十分な人に発症することが多い病気で、ダニや食物アレルギーを伴いやすい特徴があります。
治療は、バリアの機能を補うためのスキンケア、皮膚の炎症を抑えるためのステロイド外用薬やタクロリムス外用薬、かゆみを軽減させる抗ヒスタミン薬内服、かゆみを悪化させないための環境整備や対策が基本となります。とくに乾燥する秋から冬は、たっぷり保湿をするようにしましょう。また、ストレスや疲労をきっかけに悪化することが知られていますので、これらをため込まないように注意しましょう。
じんましんは皮膚の一部が突然くっきりと赤く盛り上がり(膨疹)、しばらくすると跡形もなくかゆみと皮疹が消えるという特徴があります。たいていかゆみを伴いますが、チクチクとした感じや焼けるような感じになることもあります。発症して6週間以内を「急性じんましん」、それ以上経過した場合を「慢性じんましん」と呼びます。じんましんの治療は、まず原因や悪化因子を探して、それらを取り除く、または避けるようにすることです。アレルギーが原因であれば、原因アレルゲンや刺激を回避します。仕事や勉強などのストレスや不規則な生活を避けることも重要です。薬物治療は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの飲み薬や塗り薬が中心となります。
食物によって、湿疹やじんましん、嘔吐、下痢、咳などの症状が、免疫反応によって引き起こされる病気です。ときに血圧低下や意識障害、呼吸困難など生命を脅かす危険な状態に至ることもあります。三大アレルゲン(アレルギーの原因物質)として、鶏卵、牛乳、小麦が挙げられますが、ほかにも大豆、ソバ、甲殻類、魚卵、ナッツ、ゴマなどがあります。0歳で最も多く認められ、年齢の経過とともに軽快していく傾向があります。食物を食べて症状が出ても免疫が関与していない場合は、食物アレルギーではありません。食物アレルギーはIgE抗体(身体を守る機能を持つ抗体)と食物アレルゲンが反応して症状が現れます。
食物アレルギーは症状や重症度に個人差があり、原因となる食物アレルゲンも人によって異なります。食物アレルギーへの対応としては、アレルゲン診断を受け、最小限の除去を正確に行い、安全を確保しながら必要な栄養を摂取していくことが基本となります。
外的異物の皮膚に対する刺激性やアレルギーにより、接触した皮膚に発赤やかゆみ、水疱などの炎症を生じます。原因により、「刺激性接触皮膚炎」と、「アレルギー性接触皮膚炎」に分類されます。原因として、植物、金属、薬品、毛染め、香料、防腐剤、ラテックス(ゴムの原料)などがあります。
原因検索は症状改善の近道であり、当科では積極的にアレルギーの検査を行うようにしています。検査内容は日用品のパッチテスト、パッチテストパネル、金属パッチテストがあります。
金属アレルギーは、金属を原因として生じるアレルギー症状全般を指します。アクセサリーや日用品などに使用されている金属が汗で溶けてイオン化し、皮膚のタンパク質と結合して新たなタンパク質に変性し、それを体が“異物”とみなすことによってアレルギー反応が生じます。
症状は、金属が触れた部位やその周囲の赤みやかゆみなどの「接触皮膚炎」です。「金属製のピアスやイヤリング・ネックレスなどをつけると上記のような症状が出てしまう」という方は接触皮膚炎の可能性があります。
また、金属アレルギーには、接触皮膚炎以外にも「全身性金属皮膚炎」と呼ばれるものがあります。接触皮膚炎のように金属が直接皮膚に触れることによって生じるわけではなく、銀歯(歯科金属)や食事中に含まれる微量の金属が口の中の粘膜や消化管を経由して体内に吸収されることにより生じます全身性金属皮膚炎は、アレルギーの原因となる金属の摂取制限によって症状が緩和されることがあるので、なかなか治らない肌荒れに悩んでいる方は、お気軽に当院へご相談ください。