形成外科(月曜のみ)
形成外科(月曜のみ)
形成外科は、怪我・やけどの治療はもとより、生まれながらの異常(変形、欠損)、病気などで生じた整容面の不満足に対して、外科的に見た目や機能を改善(治療)する診療科です。体表面を中心に、頭から足の先まで全身を治療対象としています。
老若男女を問わず、全身の見た目や機能の問題を対象として、様々な治療を行っております。体表の見た目などでお悩みや困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。
ほくろは良性腫瘍の一種で、表皮にメラニン色素を生成するメラノサイトが集まり、黒色斑になります。隆起したもの、平らなもの、毛が生えているものなど様々です。生まれつき皮膚の広範に色素性母斑がみとめられるものは、巨大色素性母斑と呼ばれます。
一般的ないぼは足の裏に多く、免疫力低下により粘膜がウイルスに感染して生じるといわれています。顔や首などに出現する老人性のいぼ(老人性ゆうぜい)から足の裏にできるいぼ(尋常性ゆうぜい)まで種類も様々です。治療は電気やレーザーで全体を焼き取る方法や、メスなどを使用してくり抜く方法が一般的です。
ほくろ・いぼの状態により保険外診療となることがあります。
一般的に「脂肪のかたまり」と呼ばれる病気で、体中のどこにでもできる良性の皮下腫瘍です。皮膚の上皮成分が皮内や皮下に落ちて袋を形成し、その中に垢や脂がたまってできた固まりが粉瘤です。多くは数ミリ程度の盛り上がった状態から次第に大きくなり、数センチほどの半球状になることもあります。皮膚が破けると膿汁と臭い粥状の固まりを排出します。膿を出そうと無理に圧迫すると、袋が破れて脂肪織内に散らばり慢性化してしまうこともありますので、内容物を無理に排出することは避けて早めに受診してください。
皮下に発生する腫瘍の中では最も多くみられる良性の腫瘍です。皮下組織にみられる浅在性脂肪腫と、筋膜下、筋肉内、筋肉間にみられる深在性脂肪腫があります。20歳以下には発症することはまれで40~50歳代に多くみられます。女性や肥満に多いといわれています。背部、肩、頸部(くび)などに現れることが多く、上腕、でん部、大腿など四肢にもみられることがあります。痛みなどの症状は無く、皮膚がドーム状に盛り上がり、柔らかいしこりとして認められます。大きさは数ミリ程度の小さなものから直径が10センチ以上に及ぶものまで様々です。治療は手術による脂肪腫の摘出で、再発することはまれです。
巻き爪は、爪が横方向に曲がり爪の下の皮膚をつかむように巻いている状態をいいます。陥入爪は爪の両端から爪が皮膚に食い込むことで炎症や腫れ、疼痛が生じます。傷が化膿してしまうこともあります。巻き爪と陥入爪が合併して起こることも少なくありません。
予防には正しく爪を切ることが有効です。食い込んでいる爪を斜めにカットすると、爪が伸びるときに再び食い込むため、爪の角を残してカットすることをお勧めします。また、靴の選択や足の衛生管理などフットケアも大切です。早期治療を望まれる場合や、爪矯正などの保存的治療が無効な場合には手術をお勧めします。
やけど・擦り傷・切り傷などの外傷、手術後やにきびなどで傷あとが残ることがあります。深い傷であるほど目立つ傷あとになりますが、浅い傷でも広範囲に及べば整容的に問題となることがあります。
傷あとにはいくつかの種類があります。痛みがある傷が通常の経過で治り、その残った傷あとを「成熟瘢痕」といいます。「肥厚性瘢痕」は深い傷のあとで、傷ができてしばらくはミミズばれのように盛り上がります。お腹など手術後の傷あとなどが肥厚性瘢痕になりやすいといわれています。この他に、皮膚の深いところにある真皮で炎症が続いて生じてしまうケロイドがあります。
治療には瘢痕を切除して縫合する外科的治療や、皮膚の再生を促すレーザー治療、傷あとに特殊なメイクアップを施すメイクアップセラピーなどがあります。
眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)は、上まぶたの皮膚が緩むことで生じる加齢現象の一つです。眼を開いたときに上まぶたが正常の位置よりも下がり、上の視野が狭く感じたり、外見が悪く(眠そうな印象)なったりします。まぶたを上げようとするため、まゆ毛の位置が高くなり、額(ひたい)のしわが目立ったり、頭痛や肩こりの原因になったりすることもあります。
眼瞼下垂症は手術で症状の改善が期待できます。まぶたの皮膚を二重(ふたえ)の位置で切開し、眼瞼挙筋腱膜(がんけんきょきんけんまく)を緩んだ分だけ短くする眼瞼挙筋前転法が代表的な手術です。眼瞼下垂症手術は、高齢化を背景にニーズが高まっています。
眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)は、まつげだけではなく、まぶた全体が内側を(眼球の方を)向いてしまう状態で、まつげも内側を向きます。主に加齢により、下まぶたを支えている組織やまぶたを閉じる筋肉がゆるんだり、まぶたの皮膚がたるんだりすることが原因とされています。生まれつきの眼瞼内反症(先天眼瞼内反症)もあります。
治療方法は、局所麻酔下にてまつ毛の毛根を電気やレーザーで焼く「睫毛電気分解」と、局所麻酔下にて下まぶたを切開し、原因となっている組織(皮膚、皮下組織等)を切除し縫合する「皮膚切開法」を行っております。
思春期以降の大人になってからできるものの代表が太田母斑と呼ばれるものです。
太田母斑は、上下眼瞼、強膜(白目の部分)、頬、側頭部、前額、鼻、耳などの片側顔面にできます。色調は青灰色~青~黒~褐色とメラニンが分布する深さで変わってきます。思春期以降の女性に多いのが特徴ですが、乳児期から濃くなっていくものや両側に出来るものもあります。また、肩の周りにできる同じ様なアザは伊藤母斑と呼ばれます。
自然消滅することはなく治療が必要になります。治療はレーザー治療(保険診療)が主流になっています。カウンセリングを行い丁寧に診断いたしますので、長年あざにお悩みの方は一度ご相談ください。
耳垂裂(じすいれつ)とは、耳たぶが裂けてしまった状態を指します。「耳切れ」「切れ耳」と呼ばれることもあります。
先天的な耳垂裂もありますが、ほとんどは後天的に怪我などによって起こる耳垂裂です。またさらにそのうちのほとんどが、装着中のピアスを何かに引っかけ、耳たぶが裂けてしまうケースです。耳垂裂は、自然に治ることはありません。特に後天的な耳垂裂の場合は、放置していると細菌感染を起こす可能性があります。必ず、医療機関を受診するようにしましょう。
「先天性の耳垂裂」の治療は保険適用となります。ピアスによる耳垂裂を含め、後天的な耳垂裂はすべて自費診療となりますのでご了承ください。